soundtrack for **

polkazurとplan-lentementとolivverdaと

TAROT STORY まとめ1

Soundtrack For Tarot Cardを作った際に、ノイモカさんが製作してくれたストーリーです。

せっかくブログ形態になったのでまとめて掲載します。読んでね。

 

0.愚者

pop blue magicはこの話をもとに作りました。

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1.魔術師

1st CDからアナちゃんとルタちゃんが登場。

手書きノートみたくするためにフォントにこだわったそうです。

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2.女教皇

あぁそれっぽい。

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3.女帝

学園ものにありそうな光景。

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4.皇帝

おっちゃん・・!

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5.教皇

よのなかってなんなんですかねえ

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6.恋人

 

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7.戦車

とてもミリタリー。

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8.力

みつを系。

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9.隠者

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10.運命の輪

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*

 

これら全てノイモカさんの作でした。

 

楽曲視聴はこちらから!

【lyric】Silvia

切った髪と 真白な頬

涙は忽ちに落ちて冷える
硝子のようにね

 

地を蹴って走る はやく
悲しいものは見たくないの
焼きつく前に逃げてしまわないと

 

取り込まれぬよう深く息をして
すすむべき道を見失う前に

 

雨の色は誰が見るかによって違うものだから
頬に触れて初めてその意味を知るだろう

 

いくつの名前で嘘をつき
明日を思っただろう
始まりはどこだったっけ

 

縫い合わされた名無しの花々
美しく見えたならそれでいいよ

 

あぁ、どうしても愛せないのよ
あなたの手の中 時計の音
流れの終わりが見えたの
つま先まで

 

雨の色は誰が見るかによって違うもの
ねぇ明日も雨になる
その先もずっとずっと雨になる

 

頬に触れた雫は
涙と混ざりあって呪いになってゆく
名無しの森は皮膚の隙間から入り込む

【STORY】Anonymous

1533.09.57.23
ほんの気まぐれに、「彼」に、私の魔力を込めたインク壺を与えた。
『これに描いたものは実体化するわ。よく考えて使ってね。』と最後に告げた。

 

 

 

 

1533.09.58.10
彼はまず、金貨を1000枚生み出した。
生活に困窮しているようだったので、これで、生活には困らないだろうと考えたようだ。

 

 

 

 

1533.12.11.15
彼の職業は画家のようだ。
一心不乱に、キャンバスに絵を描いている。
もちろん普通の画材でだ。インクは使わないようだ。

 

 

 

1533.12.15.19
彼が肩を落として帰ってきた。
高級な画材を使っていない事を、揶揄されたようだ。
彼は、画材を生み出すことにした。

 

 

 

1534.01.20.00

久々に訪ねてみたら、彼は、孔雀石、赤鉄鋼、辰砂、藍銅鉱、瑠璃、鉛丹などをキャンバスに描き、生み出していた。

これらを画材として使うようだ。

彼は笑っていた。

これで誰にも馬鹿にされない良いものが描けるよ、と。

 

 

 

1534.02.26.0×

彼は眠っているようだ。

キャンバスにはどうやら男の顔が描かれているようなのだが、

それは半分ほど真っ黒に塗りつぶされていた。

 

 

 

 

1534.03.03.02
彼は何か液体の入った、小さい薬瓶を生み出していた。
「店で買うと記録が残って、足がついてしまうから」と彼は言っていた。

 

 

 

1534.04.17.05
彼が何か大きな塊を持って帰ってきた。
中身は見えなかったが、先日の薬でそれを溶かしたあと暖炉に入れて燃やしてしまった。
暖炉からはやけに鼻につく匂いがした。

 

 

 

1534.05.06.20.5
塊を持って帰ってきては溶かしては燃やし、溶かしては燃やし。

それを繰り返す中で、彼は明らかに異常行動が増えていった。
呪いでも受けたのだろうか。

 

 

 

1534.11.12.02

燃やすことにも飽きたらしい。
もしくは燃やすモノが尽きたのか。
彼はしばらく、屍のように動かなかった。

 

絵は描かないのだろうか。あれだけ素晴らしい画材を生み出したのに。

 

 

 

 

1535.02.04.04
彼の口から、助けてくれ、という言葉と、いくつかの恨み言が聞こえたような気がしたが、手は出さない。

 

 

インク壺は空になっている。

 

 

彼の望みがあらかた果たされたいま、

せめて最後に記憶だけは消しておいてやろうか。と考えている。

 

 

 

 

 

*Anonymous(=匿名、作者不明、読み人知らず)

【STORY】Eugenia

親愛なるユージニアへ。
 
 
私が、気弱なあなたの中にひっそりと生まれてから、何年が過ぎたことでしょう。
 
 
あなたはどこからかこの寄宿舎にやってきた。
 
 
そして、魔女と呼ばれる人がこの世にいるということ、不老の存在であるということ、
そしてあなたもそうであることを、告げられた。
 
 
あなたはしばらく驚いて受け入れられずにいたけれど、
周りのみんなも魔女なのよ、と聞いたら少しほっとしたようで、
「それなら大丈夫。」と、やっと笑顔を見せてくれた。
よく憶えてる。
お友達が増えた、って思えてとても嬉しかったわ。
 
 
 
生徒の1人として、魔法のこと、生き物のこと、薬草のこと、それに人の心の動きについてを学んでいく日々。
学校はとても楽しかったわよね。
 
お友達が急にいなくなったことがあったわね。
あなたはとても不安そうにしていたけれど。
あの子、シャルロットは、脱走したわ。
 
それが卒業の条件だったの。
 
 
あなたが、寄宿舎に入ってきたあの狂った男に対して魔法を使ったように。
 
 
 
最初にこのシステムを作ったのは誰だったかしら。
魔女と呼ばれるものは皆、この寄宿舎でそれぞれ時を過ごすの。
未熟な自分に足りないものを埋め合わせることができるまで。
外に出られるようになるまで。
 
 
 
 
 
合格したらすぐにでもここはただの草原に戻り、魔女はその真ん中で夢から覚める。
 
 
もし、合格できなかったらって?
 
あなたはずっとそのままだったかもしれない。
 
 
 
 
私は、この場所で次に来る魔女を待っているわ。
ただ、
彼女の卒業が何年後になるかは知らないけれど。
 
 
 
#
 
読んでいただきありがとうございます。ユージニアのお話でした。
 
 
歌詞を読んだ方は、なんの脈絡もなく寄宿舎というワードが出てきたことに戸惑う方もいるかもしれません。
戸惑ってください。笑
 
魔女が成長するためには何が必要だろう?と考えた結果の学び舎、寄宿舎です。
 
 
ユージニアの卒業条件は、「危害を加えてくる相手に立ち向かえるようになること」です。
 
 
合格の条件は人により違いますが、
「人の温かみを知ること」「小さな命を最後まで看取ること」「集団を率いる力を身につけること」など、魔女として生きるにあたり必要となる力がつくような課題が設定されるようになっています。
 
 
デザイン担当の葉月ちゃんとユージニアのイラスト(女の子が二人いる)について話しているときに
「このもうひとりの女の子が、いるのかいないのかわからない感じがする」という話になり、そこから膨らませました。
魔女の成長を、お友達のひとりとしてずっと見守る役目です。
 
曲を作っているとき「エコール」という映画のビジュアルと結末がずっと頭にありました。
誰かの心の奥に何を見ても、どんなほの昏いものを見ても、魔女はその後も生きていかなければなりません。
 
ユージニアには、力のあるもの(例えば男性や権力など)に出会っても、
自分の身を守るために、逃げ延びるために、相手を攻撃できるようになってほしいな、と思いながら書きました。
 
 
ちなみに、シャルロットの条件は「寄宿舎から自分の力で脱走すること」です。そのままですね。

olivverda的「魔女」考 1

みなさまいかがお過ごしでしょうか。


soundtrack for perpetualをリリースしてから数ヶ月が経ちました。
手に取ってくださったみなさん、立ち止まってくれたみなさん、試聴だけでもしてくれたみなさん、本当にありがとうございます。

 


さて、まず今作のテーマ。魔女とは。

「超自然的な力で人畜に害を及ぼすとされた人間、または妖術を行使する者のこと。」

と、wikipediaには書かれています。
こわいですねー。

 

 

私は以前にも魔女の日常をテーマにしたCDを作ったことがありますが、

そんなに怖い感じにはしませんでした。
(むしろとてもほんわか系でした。立案yorohiさんのおかげです。)


ただ今回の場合は、「魔女は世の中にとってマイノリティである」ということを強く意識して製作していました。

 

内容的には「不老不死である」ことがそれにあたります。
けっこう、かなり、少数派です。


「魔法が使える」というのもありますね。

 

本の内容や設定によっては魔法が使えるほうがマジョリティだったりする場合もありますが、それはまた別の機会に。

 


そもそも、「魔女は不老不死」という設定は、「おおかみこどもの雨と雪」でおなじみの細田守さんが演出をした、とある子供向けアニメのとあるお話がもとになっています。

 

この設定を知った時に、
「軽く言っているが、とてつもなく恐ろしい事ではないか?」と感じました。

 

周囲に不老不死を経験した人がいない。
自分を残して周りの人間はどんどん死んでゆく。
どのように生きながらえていけばいいのかわからない。
参考にするサンプルがほぼないわけです。


まぎれもなく少数派に他なりません。

 

もし周囲が排他的な集団であったなら、発覚した途端に追い出されるかもしれません。

 

 

そんな魔女たちがどのような事を感じ、どのように生きていくのか。
それなら試しに創作してみよう。ということになりました。

 

次回に続きます。